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2019年卒の学生が日々の学びや経験をアウトプットするブログ。

『日本再興戦略』を読んで

 

こんにちは、かず(@kazu_1247)です。

 

『日本再興戦略』(落合陽一著)を読んで学んだこと、得たことについてざっくりと書きました。

 

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

 

 

大きく4つです。 

  • ワークアズライフ
  • ものづくりとは
  • 新しいリーダー像
  • モチベーション

 

1、ワークアズライフ

 

 「ワーク」と「ライフ」を二分化することは日本人の文化に向いていません。

 

 それより、仕事と生活が一体化したワークアズライフの方が向いています。

無理なく、自然に働くことが大切なのです。

 

 日本人は古来、生活の一部として仕事をしていました。「百姓」は、農耕社会において100の細かい別々の仕事をしていたという意味です。ずっと仕事をしながら生きている、そしてそれがストレスなく生活と一致しているから美しい。

 

 むしろ、オンとオフを切り分けたら、世界は幸せな状態ではなくなります。

つまり、負荷がかかっている状態を容認することになります。

無理なくできることを組み合わせて生きていけるようなポートフォリオを設計することが大切になってきます。

 

 また、会社という組織も今の時代に上手くアレンジしなければいけません。

会社はもともと「ギルド」です。基本的には、同業者の組合のようなものなので、人が自由に出入りしやすい組織です。しかし、今の日本の会社は「社会(ソサエティ)」になっています。

 

 社会には、宗教上の教義やイデオロギーがあります。離脱したいと思っても許されません。

 これからは、より「ギルド」に近づけていくべきです。会社を抜けたくなったら抜ければいいのです。いくつかのギルドを持っていればいいだけの話です。いろんなコミュニティがあって、複数のコミュニティに所属しつつ、そのコミュニティを自由に変えられることです。そうなれば、日本人の生活や仕事はもっと楽しくなるはずです。



2、ものづくり

 

 欧州ではアーティストや博士がとても尊敬されています。

 

 社会に価値を生み出しているからです。アーティストというのは、人類が今まで蓄積してきた美の最大到達点をさらに更新しようとしている人たちです。博士というのは、人類がそれまでに蓄積してきた知の領域をほんの少しだけ外に広げる人たちです。

だからこそ、社会的価値が高いのですが、日本ではそうした認識がありません。

 

 いつの時代も、社会の中での重要性を決めるのは、市場での希少価値です。数が少ないとレアであり、価値が高いのです。例えば、新しい仕組みを考えたり、イノベーションを起こしたりするクリエイティブクラスは明らかにレアなので、価値が高い。

 

 日本は、技法のミームが根付いた国です。技と美が一体化しています。ドラクエに例えると、魔法使いと剣士が合体した魔法剣士のようなものです。これは重要なことです。

 

 日本屏風は美とテクノロジーのセットであること、イチローは技とライフスタイルと美的感覚のセットであること。日本的な芸術・職人芸においては、人によって多様な道を極めていくことができるのです。

 

 別の言い方をすると、百姓的な生き方です。ひもを縒っている時もあれば、わらじを作っている時もあり、稲を刈っている時もある。いろんな仕事をポートフォリオマネジメントしていれば、コモディティになる余地がありません。




3、新しいリーダー

 

 これから、リーダーの在り方が変化していきます。

 

 これまでは、一人で何でも出来てマッチョで強い人がリーダーの理想像でした。中央集権的なリーダーです。

 

 しかし、新時代のリーダーは全て自分で出来なくても全く構いません。何か一つものすごくとがっている能力があればよくて、足りない能力は他の人に補ってもらえばよいのです。

 

 新しいリーダーの求められる条件はこれらです。

 

「弱さ」:共感性の高さが求められます。

 

「意志決定の象徴と実務権限の象徴は別」:個々人は自分の得意分野に特化すればよくて、すべての実務権限を統括する必要がないということです。

 

「後継者ではなく、後発者を育てる」:自分の後を継ぐ人ではなく、新しいジャンルや会社を新しく作っていくような人材を育てられる人です。

 

 新しいリーダーはバンドです。

 とがった個人が集まって音楽を奏でるビートルズのような形です。リーダーに大切なのは愛されることです。カリスマというと、憧れみたいで近寄りがたい。

 愛されるのはもっと貴重で、「この人が地球上からいなくなってしまうと寂しい」という感情です。

 

 「自分は何でもできる」と言ってはいけません。つまり、偏りのある人、ある分野にとても才能があるけれども、全然だめなところもあるような人の方が、上手くいきやすいのです。






4、モチベーション

 

 まず、「べき論」で語るべきところと「べき論」で語るべきでないところをきちんと分けることです。

 時代にとって合理性があること、つまり「するべきこと」と、時代にとっては合理性がないけれども、自分にとって文化的な許容度があること、つまり「やりたいこと」の二つを分けなければいけません。そうしないと、何がしたいのかよく分からなくなってしまいます。

 

 人類の良さはモチベーションにあります。リスクを取るほどモチベーションが上がるというのは、機械にはありません。この「リスクを取る」ということは機械がすごく苦手なので、人間はそこを強くしなければいけません。

 

 革命というのはモチベーションの塊です。このモチベーションは、文化資本の再分配関係に大きく依存しています。モチベーションを生むコンテクストは文化から生まれてきます。

  例えば、隣の家が1000倍収入が多いという状況はあまりありません。しかし、隣の家には本が1冊も無いけれど、うちには1000冊あるという状況は普通に発生します。貧富の差よりも大きい差が生まれているということです。

 

 資本の格差が語れることが多いですが、今後はモチベーションの格差、文化の格差がより重要になってくると思います。

 

以上、ざっくりとした学びでした。

 

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

 

 

Written by かず

 

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